泌尿器科は、腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺、精巣など、多岐にわたる臓器の疾患や症状を扱う診療科です。これらの臓器に関連する問題は、日常生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。当クリニックでは、患者様一人ひとりの症状やお悩みに寄り添い、適切な診断と治療を提供しております。以下に、当院で対応可能な主な症状や疾患についてご紹介いたします。ご自身の健康管理の一助として、ぜひご覧ください。
こんな症状が見られましたら、泌尿器科を受診ください
●尿が近い、回数が多い(頻尿)
●夜間、何度もトイレに起きる
●尿が漏れる(尿失禁)
●尿が出にくい、尿の勢いが弱い、 尿をするのに時間がかかる
●排尿時に痛みがある
●尿が残っている感じがある(残尿感)
●尿が全く出ない
●赤い尿が出た
●検査で「血尿」と言われた
●腎臓のあたり(左右の背中、背骨の両脇)が痛い
●PSAが高いと言われた
●陰嚢が大きくなってきた ●陰嚢が痛い
●精液が赤くなった ●勃起力が低下した ●尿道口から膿が出た
●陰部に何かが触れる
●「おねしょ」(夜尿症)が治らない
●子供の精巣(睾丸)が降りていない、と言われた など
よく見られる疾患
●夜間頻尿
●前立腺肥大症
●過活動膀胱
●膀胱炎
●尿路結石症
●血尿・尿潜血
●前立腺がん
●性感染症(淋菌、クラミジアなど)
夜間頻尿
主な症状:
夜間頻尿とは、夜間に何度もトイレに起きる状態を指します。この症状は、睡眠の質を低下させ、日常生活に支障をきたすことがあります。
考えられる疾患:
夜間頻尿の原因として、前立腺肥大症や過活動膀胱が考えられます。また、ホルモンバランスの乱れによる夜間多尿や、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害も関連することがあります。
検査:
診断のためには、問診や排尿日誌の作成、尿検査、超音波検査(エコー)などを行います。これらの検査により、原因を特定し、適切な治療方針を決定します。
治療:
治療は原因に応じて異なります。生活習慣(水分摂取量、飲酒など)の見直しや、薬物療法を行うことがあります。また、原因疾患の治療が必要な場合もあります。
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前立腺肥大症
主な症状:
前立腺肥大症は、尿の勢いが弱くなる、排尿開始までに時間がかかる、頻尿(特に夜間)、残尿感などの症状が現れます。
検査:
診断には、直腸診、血液検査(PSA検査)、超音波検査(エコー)、尿流量測定などを行います。これらの検査により、前立腺の状態や機能を評価します。
治療:
治療は症状の程度や患者様の状態に応じて、薬物療法(α1遮断薬、5α還元酵素阻害薬など)や経過観察、手術療法(経尿道的前立腺切除術など)を検討します。手術が必要な場合は適切な医療機関へご紹介いたします。
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過活動膀胱
主な症状:
過活動膀胱は、突然の強い尿意(尿意切迫感)、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁(尿意を我慢できずに漏れる)などの症状が特徴です。
検査:
診断には、問診や排尿日誌の作成、尿検査、超音波検査(エコー)、尿流量測定などを行います。これらの検査により、膀胱の機能や状態を評価します。
治療:
治療には、生活指導(膀胱訓練、骨盤底筋訓練)、薬物療法(β3作動薬、抗コリン薬など)、行動療法(排尿習慣の見直し)などがあります。患者様の症状や生活スタイルに合わせて、適切な治療法を選択します。
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膀胱炎
主な症状:
膀胱炎は、排尿時の痛みや灼熱感、頻尿、残尿感、尿の濁りや血尿などの症状が現れます。特に女性に多く見られる疾患です。
検査:
診断には、尿検査(尿中の白血球や細菌の有無)を行います。必要に応じて尿培養検査を実施し、原因菌を特定します。
治療:
治療には、抗菌薬の投与が一般的です。また、水分摂取を促進し、膀胱内の細菌を排出することも重要です。症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合は、さらなる検査や治療が必要です。
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尿路結石症
主な症状:
尿路結石症は、背中や側腹部の激しい痛み(疝痛)、血尿、吐き気や嘔吐、頻尿や排尿時の不快感(結石の位置による)などの症状が現れます。
検査:
診断には、尿検査(血尿の有無)、画像検査(超音波検査、CT検査、X線検査)などを行います。これらの検査により、結石の有無や位置、大きさを確認します。
治療:
治療は結石の大きさや位置に応じて異なります。小さな結石の場合は、水分摂取を促進し、自然排出を促すことがあります。大きな結石や自然排出が難しい場合は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や内視鏡的手術を検討します。ESWLや手術が必要な場合は適切な医療機関へご紹介いたします。
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血尿・尿潜血
主な症状:
血尿とは、尿に血液が混じった状態を指し、肉眼で確認できる「肉眼的血尿」と、顕微鏡検査や尿検査でのみ検出される「顕微鏡的血尿(尿潜血)」に分類されます。肉眼的血尿は、尿が赤やピンク色に変わることで気づかれることが多く、顕微鏡的血尿は健康診断などの尿検査で指摘されることが一般的です。
考えられる疾患:
血尿の原因としては、尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)、尿路結石症、腎臓や膀胱の腫瘍(がん)、前立腺の疾患(前立腺炎、前立腺肥大症、前立腺がん)などが考えられます。特に、痛みを伴わない血尿が突然現れた場合、腎臓や膀胱のがんの可能性もあるため、注意が必要です。
検査:
血尿の原因を特定するために、尿検査(尿中の赤血球や白血球の有無、細菌の検出)、尿細胞診(尿中の異常細胞の検出)、超音波検査(エコー)やCT検査などの画像検査、膀胱鏡検査(膀胱内を直接観察)などを行います。これらの検査を組み合わせて、原因疾患を特定します。
治療:
治療は、血尿の原因となる疾患に応じて異なります。例えば、尿路感染症が原因の場合は抗菌薬の投与、尿路結石症の場合は結石の大きさや位置に応じて体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や内視鏡的手術、腫瘍が原因の場合は手術や化学療法などが検討されます。いずれの場合も、早期の診断と適切な治療が重要です。当院での治療が難しい場合は適切な医療機関へご紹介いたします。
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前立腺がん
主な症状:
前立腺がんは、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いですが、進行すると排尿困難、頻尿、残尿感、血尿、骨への転移による腰痛などの症状が現れることがあります。
検査:
前立腺がんの診断には、血液検査で前立腺特異抗原(PSA)値を測定し、異常が認められた場合は直腸診や経直腸的超音波検査(TRUS)、前立腺生検などを行います。画像検査として、MRIやCT、骨シンチグラフィーなどが用いられることもあります。
治療:
治療は、がんの進行度や患者様の年齢、全身状態に応じて、手術療法(前立腺全摘除術)、放射線療法、ホルモン療法、化学療法、経過観察(監視療法)などから選択されます。医師と相談の上、最適な治療法を決定します。MRI検査や前立腺生検が必要な場合は適切な医療機関へご紹介いたします。
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性感染症(淋菌、クラミジアなど)
主な症状:
性感染症(STI)は、性的接触を介して感染する疾患の総称です。淋菌感染症では、男性の場合、排尿時の痛みや尿道からの膿状の分泌物が見られ、女性の場合はおりものの増加や不正出血が現れることがあります。クラミジア感染症では、男性は軽い排尿時の違和感や透明な分泌物、女性はおりものの増加や下腹部痛などが見られます。しかし、これらの感染症は無症状の場合も多く、知らないうちに感染を広げてしまうことがあります。
検査:
診断には、尿や分泌物を採取し、PCR検査を行うことで病原体の有無を確認します。
治療:
治療は、原因となる病原体に応じて適切な抗菌薬を使用します。治療後も再感染を防ぐため、パートナーも同時に検査・治療を受けることが推奨されます。また、治療期間中は性的接触を控えることが重要です。
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